高校化学レベルアップ演習有機総合編 †
1) 飽和、不飽和の意味を答えなさい(例付き) †
- 炭素原子間に単結合のみを持つ有機化合物を飽和化合物、二重結合や三重結合を含む化合物を不飽和化合物という。
- 飽和炭化水素
- エタン
H H
| |
H-C-C-H
| |
H H
- 不飽和炭化水素
2) 示性式,分子式,組成式,構造式の違いを示しなさい †
- 示性式
- 分子内の原子または原子団(基)の結合のようすがわかるように書いた化学式。
- 酢酸
CH3COOH
- アセトアルデヒド
CH3CHO
- 分子式
- 分子の原子組成と組成比を元素記号を用いて表したもの。
- 組成式
- 物質の成分の割合を組成といい,組成を元素記号を用いて表した式。分子を持たない物でもこれによって表される。
- 構造式
- 物質の構造を示す為の化学式。構造式では特徴のある構造を強調する目的で種々の省略形が用いられる。なお、構造式のうち各原子or原子団間の化学結合を示す線(価標)を省いた物と言える
- アセトアルデヒド
H
|
H-C-C=O
| |
H H
3) エタノールを脱水させた化学反応式を2通りで書け †
- 低温(130〜140℃)で硫酸により脱水→ジエチルエーテル
- 高温(160〜170℃)で硫酸により脱水→エチレン
4) C4H10,C2H6O,C3H8O,C5H12それぞれ構造異性体を書け †
- O-Hの単結合価標は簡単のため省略
- C4H10
- C2H6O
- C3H8
- 1-プロパノール(n-プロパノール)
H H H
| | |
H-C-C-C-OH
| | |
H H H
- 2-プロパノール(イソプロパノール)
H
|
H-C-H
|
H-C-OH
|
H-C-H
|
H
- エチルメチルエーテル
H H H
| | |
H-C-C-O-C-H
| | |
H H H
- C5H12
- n-ペンタン
H H H H H
| | | | |
H-C-C-C-C-C-H
| | | | |
H H H H H
- 2-メチルブタン(イソペンタン)
H
|
H-C-H H
| |
H-C---C-H
| |
H-C-H H
|
H-C-H
|
H
- 2,2-ジメチルプロパン(テトラメチルメタン)
H
|
H-C-H
H | H
| | |
H-C---C---C-H
| | |
H | H
H-C-H
|
H
5) アルコールとエーテルの違いを三つ挙げよ †
- アルコールは親水性があるがエーテルにはない。
- アルコールは金属ナトリウムと反応するがエーテルは反応しない。
- 同じ炭素数のアルコールとエーテルではアルコールの方が沸点が高い
6) 付加反応,フェーリング反応,銀鏡反応,ヨードホルム反応をそれぞれ説明しなさい †
- 付加反応
- 不飽和化合物の多重結合が解消されて新たに二重結合や単結合となり、両端に新たな原子や原子団が結合する反応。
- フェーリング反応
- アルデヒドやギ酸などの還元性を示す試料にフェーリング液を加えて温めると酸化銅(I)Cu2Oの赤色沈殿が生じる反応。
- 銀鏡反応
- アルデヒドやギ酸などの還元性を示す試料にアンモニア性硝酸銀水溶液を加えて温めると、ジアンミン銀(I)イオンが還元されて、銀が析出する反応。
- ヨードホルム反応
- H3-C(OH)H-RまたはH3C-C(=O)-Rの形をした化合物(-Rは水素または炭化水素基)にヨウ素と水酸化ナトリウム水溶液の混合液を加え温めると特有の臭気をもった黄色沈殿としてヨードホルムCHI3が生じる反応。
- 例えばエタノールは反応するがメタノールはしない。またアセトアルデヒドやアセトンなどが該当する。
7) エーテル結合とエステル結合の違いを述べ,またエステルの生成,加水分解について説明せよ †
- エーテル結合
-C-O-C-
- エステル結合
-C=O
|
O-C-
- 極端な言い方をすれば加水分解して酸とアルコールに分解するエーテル結合がエステル結合であると言える。
- エステルの生成
- カルボン酸や硫酸、硝酸などとアルコールを混合し硫酸などで脱水する。
- エステルの加水分解
- 水酸化ナトリウムなどの延期を加えることにより元の酸とアルコールに分解する。このことを特に鹸化(けん化)と呼ぶ。
8) アセチレンからエチレン,塩化ビニル,アクリルニトリル,アセトアルデヒド,ビニロンが精製する反応過程を説明せよ †
- エチレン
- ニッケルを触媒として水素を付加させると出来る。なお、更に水素を付加するとエタンになる。
- 塩化ビニル
- アクリルニトリル
- アセトアルデヒド
- 水を付加させるとまずビニルアルコールになるが、不安定なためアセトアルデヒドに直ちに変化する。
- ビニロン
- ポリビニルアルコールのことであるが、ビニルアルコールは不安定でアセトアルデヒドになってしまいそのままでは付加重合出来ないため、まずアセチレンに酢酸を付加し酢酸ビニルを作り、これを付加重合して出来るポリ酢酸ビニルを加水分解(けん化)することによってポリビニルアルコールを作る。
9) 1-プロパノールからプロピオン酸,アセトン,メチルアセチレンを精製する反応過程を説明せよ †
10) メタノールからギ酸を精製させる反応過程を示せ、またギ酸を脱水,酸化させたときの変化を答えよ †
- メタノールを熱した銅を触媒として酸化するとホルムアルデヒドとなり、更に酸化するとギ酸となる。
- 2CH3OH+O2→2HCHO+2H2O
- HCHO+(O)→HCOOH
- 濃硫酸を加えて脱水すると一酸化炭素を生じる
- 酸化
11) オゾン分解,KMnO4による分解を説明し、例としてプロピレンをそれぞれで分解させた反応過程を示せ †
- オゾン
- KMnO4
- CH3CHOとHCHOとまでは同じなのだが、KMnO4は更にアルデヒドを酸化してしまうためカルボン酸となる。
- CH3CHO→CH3COOH
- HCHO→HCOOH
12) ベンゼンからフェノール(2通り),ベンゼンからアセトン,ベンゼ,ベンゼンからパラヒドロキシアゾベンゼン,アニリンからフェノールと窒素,ベンゼンからベンゼンヘキサクロライドを精製するための反応過程をそれぞれ示せ、またそれぞれの反応の名称も正確に答えること †
- ベンゼンからフェノール
- クメン法
- ベンゼンとプロぺンを付加反応させてクメンを製造し、酸化するして出来るクメンヒドロペルオキシドを更に酸化して得る。
- C6H6+CH2CHCH3→C6H5CH(CH3)2
- C6H5CH(CH3_)2+O2→C6H5C(OOH)(CH3)2→C6H5OH+CO(CH3)2
- アルカリ融解法
- ベンゼンに濃硫酸を作用させるとベンゼンスルホン酸ができる。これを水酸化ナトリウムとともにアルカリ融解するとナトリウムフェノキシドができるので、これに強酸を加えると弱酸であるフェノールが遊離する。
- ベンゼンからアセトン
- ベンゼンからパラヒドロキシアゾベンゼン
- ニトロ化と還元
- ベンゼンに濃硝酸と濃硫酸の混合物を加えることによりニトロベンゼンを生成し、出来たニトロベンゼンにスズと濃塩酸を反応させアニリン塩酸塩を得る。
- C6H6+HNO3→C6H5-NO2+H2O
- 2C6H5-NO2+3Sn+14HCl→2C6H5-NH3Cl+3SnCl4+4H2O
- ジアゾ化
- アニリン塩酸塩から塩化ベンゼンジアゾニウムを得る方法は下記を参照。
- カップリング
- 塩化ベンゼンジアゾニウムにナトリウムフェノキシドを作用させる。
- C6H5-N2Cl+C6H5-ONa→C6H5-N=N-C6H4-OH+NaCl?
- アニリンからフェノールと窒素
- ジアゾ化及び加水分解
- アニリンに低温下で塩酸と亜硝酸ナトリウムを加えると塩化ベンゼンジアゾニウムとなる。これは不安定なため室温で加水分解し窒素とフェノールを生じる。
- C6H5-NH2+2HCl+NaNO2→C6H5-N2Cl+NaCl?+2H2O
- C6H5-N2Cl+H2O→C6H5-OH+N2+HCl
- ベンゼンからベンゼンヘキサクロライド
- 付加反応
- ベンゼンに紫外線を当てながら塩素を付加すると生成される。
13) 酢酸から無水酢酸,マレイン酸から無水マレイン酸,フタル酸から無水フタル酸,ナトリウムフェノキシドからサリチル酸,サリチル酸からサリチル酸メチル(or アセチルサリチル酸)を精製するための反応過程をそれぞれ示せ †
- 酢酸から無水酢酸
- マレイン酸から無水マレイン酸
- 加熱するによって環状の酸無水物(無水マレイン酸)となる
- フタル酸から無水フタル酸
- 幾何異性体のマレイン酸と異なり、一般には酸無水物を作らない
- ナトリウムフェノキシドからサリチル酸
- 高圧化で二酸化炭素と反応させる
- C6H5-ONa+CO2→C6H4(-OH)-COONa
- サリチル酸からサリチル酸メチル
- サリチル酸にメタノールを脱水縮合させる。(エステル化)
- C6H4(-OH)-COOH+CH3-OH→C6H4(-OH)-COOCH3+H2O
14) カルボン酸,スルホン酸,フェノール,炭酸の強弱関係を答えよ †
スルホン酸>>カルボン酸>炭酸>フェノール
|